1.賃貸住宅管理業法の概要
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 」は、賃貸住宅管理に関し、現に発生しているトラブルを防止するとともに、近年の賃貸住宅管理を巡る環境の大きな変化を踏まえ、将来にわたりあるべき賃貸住宅管理市場を視野に入れて、健全な市場の発展を目指そうとするものです 。
具体的には、賃貸住宅における良好な居住環境の確保及び不良業者を排除し、業界の健全な発展 ・ 育成を図るため賃貸住宅管理業者の登録制度を設けるとともに、事務所ごとに必置となる業務管理者の選任、オーナーに対する契約締結前の重要事項説明等を義務づけております。また、サブリース事業の適正化のため、不当な勧誘行為及び誇大広告等の禁止とともに、オーナーとサブリース業者の間の特定賃貸借契約マスターリース契約締結前の重要事項説明等を義務づけております 。
【賃貸住宅管理業者 】
登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者を指し、「 事業を営む」とは、営利の意思を持って反復継続的に賃貸住宅管理業を行うことをいい、営利の意思の有無については、客観的に判断されることとなります 。
2.賃貸住宅管理業登録制度
賃貸住宅管理業登録制度は、賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展 ・ 育成を図るため、創設されました。「 賃貸住宅管理業 」 は賃貸住宅の賃貸人から依頼を受けて、物件の維持保全住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うこと、家賃 ・ 敷金 ・ 共益費 ・ その他の金銭の管理業務と併せて行うものに限るを行う事業と定義づけられています。また、「 賃貸住宅管理業者 」は登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者を指します 。
賃貸住宅管理業の登録と、賃貸住宅管理業者の業務における義務について、下記の2点を義務付けています 。
■賃貸住宅管理業の登録
委託を受けて賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとする者について、 国土交通大臣の登録を義務付け 管理戸数が200戸未満の者は任意登録)
※管理戸数が 200 戸を超えない小規模な賃貸住宅管理業者でも、社会的信用力を確保するにあたって登録を受けることが望ましいです。なお、登録を受けた場合は、管理戸数が 200 戸を超えない小規模な 賃貸住宅管理業者についても、賃貸受託管理業に関する規制の対象となりますので、監督処分や罰則の対象になることに留意しましょう。
■賃貸住宅管理業者の業務における義務付け
①業務管理者の配置
営業所又は事務所ごとに、賃貸住宅管理の知識・経験を要するものを配置
②管理受託契約締結前の重要事項の説明
具体的な管理業務の内容・実施方法について書面を交付して説明
③財産の分別管理
管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分別して管理
➃定期報告
業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告